二刀流の平野歩夢選手 スケボーで世界選手権代表選手になる

スノーボード ハーフパイプ
目次

世界選手権(アラブ首長国連邦)に出場となった経緯

スケートボードの国内統括団体ワールドスケートジャパンが発表した31選手に、

北京冬季五輪スノーボード・ハーフパイプ金メダリストの平野歩夢選手が選ばれた。

東京2020のスケートボード男子パーク種目に日本代表として出場した平野歩夢選手は

現在オリンピック・ワールドスケート・ランキング25位である。

現在のオリンピック・ワールドスケート・ランキング上位5名と

2020年東京オリンピックメダリストはオープン予選をスキップし次へ進めるプレシードとなる。

6位から30位までの選手は、オープン予選シードとなり世界選手権の予選から参加する権利が与えられている。

平野歩夢選手は日本勢唯一のシード選手として再びスケートボードで世界大会にチャレンジする。

世界が認めるスノーボーダー平野歩夢選手が再びスケートボードで世界大会に出場することは、

日本だけでなく世界中で注目されている。

平野歩夢選手のスケジュール

全日本スキー連盟が招集する1月から2月中旬まで

海外遠征に参加する選手に含まれていたのだが、

平野歩夢選手は遠征を外れて2/8から12日に競技が行われる

パークの世界選手権(アラブ首長国連邦)に参加することになった。

マイナス気温の白銀の世界から、

日本に帰国して、

そこから今度は気温25度の日差しが照り付けるアラブ首長国連邦へ入国。

二刀流の身体はスケジュールをこなすだけでも相当辛そう。

平野歩夢選手のコメントを振り返ってみると

今はスノーボードに集中したいとコメントしていたので

今回の世界選手権出場は

再びスノーボードでオリンピックで金メダルを取ることを挑戦する為の過程

であるととらえていた方が良さそうである。

とは言っても出たいから出る、

と言うだけで出場できる大会ではない。

なにせ世界選手権なのである。

平野歩夢選手とは

1998年11月29日生まれ

新潟県村上市出身

2021年東京オリンピックで、新たに正式種目に加わった

スケートボード・パーク種目で日本代表入り。

その半年後に行われた2022年北京オリンピックでは、

スノーボード・ハーフパイプ種目で、大技トリプルコーク1440を決めて、

日本人初の金メダルを獲得した。

2021年東京オリンピックに正式種目になったことが発表されると、

二刀流で臨むことを発表し世間を驚かせた。

コロナの影響を受け、夏のオリンピックが延期になったため、

夏のオリンピックを終えてから僅か半年で冬季オリンピックを迎えることとなった。

平野歩夢選手は

2014年ソチオリンピック 銀メダル
   (ハーフパイプ日本人初、冬季オリンピック最年少メダリスト)

2018年平昌オリンピック 銀メダルを獲得している。

この件について、平野歩夢選手の父親がインタビューで語って言葉が印象的である。

2014年の銀メダルは取れてしまった銀メダル

2018年の銀メダルは金メダルを取れなかった銀メダル

同じ銀メダルで私たちからすれば、どちらも同じ素晴らしい銀メダルに思えるが、

金メダルだけを目指して出場した選手にとっては

計り知れないほどの違いがあるのだと知った。

後に平野歩夢選手本人が語っていましたが、

2018年の銀メダルを獲得した表彰台では何も喜べなかったと。

2018年の銀メダルまでの道のりは2014年とは違っていたことがあり

順風満帆ではなかったからだ。

2017年3月 選手生命を脅かす大怪我を負った。

アメリカでの大会中の出来事で

ダブルコーク1440の大技に挑んで転倒。

左ひざの靱帯と肝臓を損傷し、約2ヵ月間リハビリに専念した。

しかもこの時期はオリンピック出場権を得るための大会を控えていた為、

本人も精神的にも体力的にも相当つらい時期を過ごしたようだ。

小さいころから学校も行かずに

スノーボードに夢中になっていたと語っていたが、

人生をかけて挑んでいるオリンピック選考会の前に

大怪我をしてしまった平野歩夢選手は、

「今までやってきたことが全て消えたかのように感じた。

自分の心が折れそうになった。」

と振り返っていた。

しかし、「動けないときに何をするか、人一倍考えられるこの時間を使って

『怪我をして良かった』と思えるようにならないといけないと思った。」そうである。

リハビリ中はビデオで研究し、ひたすらイメージトレーニングを繰り返していたと語っている。

平野歩夢選手が、2022年の北京オリンピックを目指す為に、

前回と同じ4年間を過ごすのでは無く、

新しいチャレンジの先にオリンピックの金メダルがあるとも語っていた。

その新しいチャレンジが二刀流で、スノーボードで金メダルをもたらしたのである。

平野歩夢選手へ感謝

いつも自分で考え、自分で行動し、自分でチャンスを掴む未来を描いている平野歩夢選手。

一見おとなしそうで、物静かなスノーボーダーに見えるが、

全くそんな事は無い。

表情にこそ出さないけれど絶対人に負けたくない領域を持ち、

自分にしかできない事へチャレンジする姿勢は本当に素晴らしい。

今回の世界選手権も出場したというだけでなく

きっと素晴らしい収穫を経て

またスノーボードへ戻っていくに違いない。

そんな姿を見て私たちはパワーをもらっています。

怪我無く世界選手権にチャレンジできることを祈っています。

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